日頃キャッシングを利用している皆さんは「おまとめローン」という金融商品をご存知ですか?
一言で言うと、文字通りいくつかのキャッシングをひとまとめにすることができるローンです。ただ、誰でも必ず利用できるというわけではありません。
そこで今回は、キャッシングの返済にお困りの方へ向けておまとめローンのことを1からご紹介いたします。
目次
おまとめローンのメリット・デメリット
メリット
①金利を下げることができる
おまとめローンの一番のメリットは全体的な金利を下げられることです。消費者金融やサラ金などでお金を借りる以上は少額キャッシングになってしまい、そうなるとどうしても金利が高くなってしまうものです。
②借入の管理が楽になる
いくつもの借り入れを1つにまとめられるという点でもおまとめローンは優秀です。毎月の返済が1回で済むようになるので、手間や時間を短縮することができますね。
デメリット
①審査はやや難しい
複数の借入を1つにまとめるというおまとめローンの性質上、どうしても高額の融資となってしまいます。そのため、審査は通常のキャッシングよりもやや難しくなってしまいます。
②返済のみのローン
銀行カードローンであればまた話は別ですが、通常のおまとめローンは基本的に返済のみのローンです。借入限度額内で自由に借入や返済ができたキャッシングとは勝手が違うので、その点は気をつけなければいけません。
おまとめローンの借入先は大きく分けて2つ
銀行
高額の融資となると、皆さんが真っ先に思い浮かぶのは銀行からの融資だと思います。近年は銀行も消費者金融と同じように個人向け融資を始め、多くの「銀行カードローン」があります。
基本的に銀行カードローンは消費者金融のそれよりも金利・借入限度額の面で優れており、おまとめ専用のローンを利用するわけでもなく銀行カードローンそのものをおまとめローンとして利用できます。
安心の低金利カードローン
銀行カードローンは基本的に消費者金融のカードローンよりも低金利です。
- 銀行カードローンの金利:平均して年2.0~14.0%
- 消費者金融カードローンの金利:平均して年3.0~18.0%
上記を見ればわかる通り、上限金利を見比べるとその差は歴然です。おまとめローンにする前は1社の借入額が少ないこともあって、消費者金融を利用しているほとんどの方は上限金利の18%でお金を借りています。
4%の差がどれくらいになるのか。仮に10万円キャッシングをしたとすると下記のようになります。
- 銀行(金利14%):1年で約14,000円、1ヶ月で約1,150円の利息
- 消費者記入(金利18%):1年で約18,000円、1ヶ月で約1,500円の利息
- 差額:1年で4,000円、1ヶ月で350円の差
審査通過率はあまり高くない
仕方のないことではありますが、その性質上おまとめローンは借入額が高額になってしまうので、どうしても審査通過率は通常の審査よりも厳しくなってしまいます。
そして通常の審査においても、消費者金融と比較すると銀行の審査通過率はそれほど高くないので、審査が良い結果になる保証がないというところがネックです。
- 銀行:およそ20~30%
- 消費者金融:およそ40~50%
そもそも、「プロミス」や「アコム」といった大手消費者金融は「成約率」として審査通過率を公表しているのに対して、銀行はこれらのデータを公表していません。新生銀行レイクだけは公表しており「33%」と高めになっているため、そこから推測した数値です。
消費者金融
銀行ほどではないですが、消費者金融も借入限度額の上限は十分にあるので、おまとめローンとして利用することが出来ます。最近では「アコム」や「SMBCモビット」のように、一部は限度額が最大800万円までとなっているので安心です。
また、アイフルの「おまとめMAX」のように、通常のキャッシングとは別でおまとめ専用のローンを取り扱っているところもあります。通常のキャッシングよりもおまとめ専用ローンの方が金利が低いので、そういったところから探すのも良いですね。
サラ金についてはトップページもぜひ参考にしていただければ幸いです。
まとめても金利が下がらないことも
消費者金融のキャッシングをおまとめローンとして利用した場合、まとめる金額によっては金利が下がらないことがあります。具体的には、100万円未満をまとめようとする場合です。
なぜかというと、金利は借入限度額によって決まっているからです。「利息制限法」では下記の通り定められています。
- 借入限度額10万円未満:金利年20%まで
- 借入限度額10万円以上100万円未満:金利年18%まで
- 借入限度額100万円以上:金利年15%まで
100万円未満の限度額だと金利の上限は18%となってしまうので、結果として消費者金融のおまとめローンは金利が変わらないということが起こり得ます。
総量規制は心配しなくても大丈夫
また、消費者金融でキャッシングする上での注意点として「総量規制」というものがあります。これは、個人が借りられる金額は年収の3分の1以上になってはらないという法律です。
そのため、おまとめローンを組みたい金額が年収の3分の1以上になりそうな方は困ると思いますが、おまとめローンに限ってはそれを気にしなくとも大丈夫です。なぜなら、おまとめローンは総量規制の対象外となるからです。
詳細は割愛しますが、おまとめローンは「顧客に対して一方的に有利な取引」と認められているため、3分の1以上になっても大丈夫です。目安として、年収の50%程度までまとめることができます。
おまとめローンの審査を受ける上での注意点
審査は通常よりも難しい
繰り返しになりますが、おまとめローンは誰でも気軽に利用できるわけではありません。その性質上、通常よりも高額のキャッシングになるので審査通過率はそれほど高くありません。
まとめる金額は年収の50%までにおさえよう
その難しい審査に通るためには、まとめたい金額が高額すぎてもいけません。銀行カードローンのキャッシングと同様、年収の50%程度までが審査に通ることができる上限だと思いましょう。
金利が下がらないおまとめローンに気をつけて
おまとめローンのメリットは「金利を安くできる」ことなのに、せっかく審査に通っても金利が変わらないでは意味がありません。申し込む前に、上限金利が下がっているかどうかは必ず確認するようにしましょう。
一番安い金利が適用されるとは限らない
通常のキャッシングと同様、おまとめローンの金利も「〇%~△%」と表示されています。適用される金利はまとめる金額によって決まるので、もし限度額が低ければほぼ上限に近い金利でおまとめローンを利用することになります。そのため、上限金利がなるべく低いおまとめローンを選ぶことをおすすめします。
おまとめローン以外はすべて解約すること
おまとめローンの審査に通るとその時点での借入合計額を融資してくれるので、それで一度完済をします。それから基本的におまとめローンは返済のみの融資となりますが、キャッシングやカードローンは限度額内で自由に借入や返済ができるようになっています。そのため契約している限り利用することができてしまいます。
おまとめローンに乗り換えて金利は安くなったとしても、借入残高はまったく変わっていないはずです。もし誘惑に負けて一度完済したはずの借入先からまたお金を借りてしまうと、おまとめローンを契約した意味がなくなってしまうので、そうならないためにもすぐにすべて解約しておきましょう。
金利を下げても返済が続かないと思った時は
現時点よりも金利が安いおまとめローンを利用する前から、あるいは利用していても「返済が続かない」と思ったら「債務整理」を検討する必要があります。
債務整理は、一般的に弁護士に相談して行う法的手続きです。借金を一部減らしたり返済義務をなくしたりすることもできるので、利息で取り返しのつかない金額の借金になる前に弁護士へ相談するようにしましょう。
まとめ
まとめると以下の通りです。
- おまとめローンとは、複数の借入を1つの借入先にまとめるローンである
- 金利を安くすることができるメリットがある一方、返済のみのローンとなる
- おまとめローンは総量規制の対象外なので、借入限度額は年収の50%程度まで契約が可能
- 返済が続かないと思ったら債務整理を検討すること
おまとめローンもあくまでキャッシングの1つなので、自力で完済したいという方に向いています。通常よりもやや難しい審査に通ることができれば、金利が安くなって借入先を1つにできるのでわかりやすい返済計画をたてることができます。
ただし自力では返済が続けられないと思ったら、早めの対応が必要です。そのような状況に陥ってしまったら、まずは法律相談事務所のホームページから弁護士に相談の電話をしてみてください。