住宅を購入する際、一括で購入する方は少ないと思います。
人生で最も大きな買い物とも言われる住宅。ほとんどの方が住宅ローンを組むのではないでしょうか?
しかし、過去にサラ金を利用していた方は「利用履歴が住宅ローンの審査に影響するのでは・・・」と不安を抱いているかもしれませんね。
今回は、サラ金の利用履歴は住宅ローンの審査に影響するのかどうかをご紹介します。
目次
サラ金の利用履歴は住宅ローンの審査に影響します
まずお伝えすると、サラ金の利用履歴は住宅ローンの審査に影響します。
その理由は、住宅ローンの審査項目に「他社借り入れ状況」があるためです。
しかし、利用履歴があるからと言って、必ずしも住宅ローンの審査に通過しないわけではありません。
過去に、2か月にわたる長期間の延滞や借り入れ残高を減額させる債務整理を行っている方、あるいは、年収と借り入れ総額の割合があっていない方は住宅ローンの審査に落ちる可能性も高くなります。
ですが、毎月計画通り返済を行っている方は過度に心配する必要はないでしょう。
続いては、住宅ローンの審査の流れや審査項目についてご紹介します。
住宅ローンの審査の流れ
住宅ローンの審査の「事前審査」と「本審査」に分類されます。
それぞれの審査についてチェックされる項目などを解説します。
事前審査
住宅ローンの契約にはハウスメーカーや工務店との工事請負契約や売買契約書が必要です。
ハウスメーカーや工務店など複数の関係者を巻き込んでの契約となるため、非常に複雑かつ時間を要します。
複雑な契約を執り行った後に「住宅ローンの審査に通らなかった」となれば、本人はもちろん、ハウスメーカーや工務店にも影響します。
そのため、工事請負契約や売買契約を行う前に住宅ローンの事前審査を行う必要があるのです。
事前審査でチェックされる項目は主に次の通りです。
① 完済時年齢 | ⑨ 他社借り入れ状況 |
② 借り入れ時年齢 | ⑩ 雇用形態 |
③ 返済負担率 | ⑪ 国籍 |
④ 年収 | ⑫ 業種 |
⑤ 勤続年数 | ⑬ 家族構成 |
⑥ 担保評価 | ⑭ 所得資産 |
⑦ 健康状態 | ⑮ 性別 |
⑧ 連帯保証 |
上記の項目で1~3週間かけて事前審査を行います。各項目の審査基準を解説します。
※フラット35は事前審査がありません。そのため、フラット35取り扱いの銀行や金融機関が審査項目をチェックし住宅金融支援機構に書類を提出します。
契約後に審査が行われるわけですが、銀行で行われる審査も今からご紹介する審査項目と似ているためご参照ください。
① 完済時年齢
完済時年齢とは住宅ローン完済時の年齢を指します。完済時の年齢条件を80歳未満としている銀行が多いです。
完済時年齢が80歳を超える場合、審査に通過しない可能性が高くなります。
② 借り入れ時年齢
借り入れ時年齢は、住宅ローンを利用し始める際の年齢です。借り入れ時年齢も高すぎると完済時年齢も高くなり、審査に通りにくくなります。
③ 返済負担率
返済負担率とは年収に占める住宅ローンの割合です。
返済負担率は低い方が審査通過率は高くなりますが、審査に通る基準は35%以下と言われています。
例)フラット35の返済負担率
年収400万円未満 | 年収400万円以上 |
---|---|
30%以下 | 35%以下 |
住宅ローンの借り入れ総額は利息も含めて計算されますが、事前審査では審査用の金利で計算されることもあります。(審査金利は4%と設定している銀行が多いです。)
ローンシミュレーターなどで事前に確認しておくと安心ですね。
④ 年収
年収は税込みの収入を申請します。
ほとんどの銀行で、最低でも100~150万円以上と基準を設けています。
⑤ 勤続年数
現在の職場に何年勤めているかどうかです。
住宅ローンによって基準は異なりますが、勤続年数は1年以上と基準を設けている銀行が多いです。
⑥ 担保評価
担保保証は、購入する土地と建物にどれくらいの価値があるかです。
住宅ローンの支払いができなくなった際に、購入した土地と建物を差し押さえられますが、その際に価値がなければ意味がありませんよね。
購入金額が高ければ高いほど、担保評価も高くなります。
⑦ 健康状態
健康状態では、団体信用生命保険に加入できるかどうかをチェックします。
過去3か月以内、あるいは3年以内に団体信用生命保険が指定する病気や怪我をした場合は住宅ローンの審査に通過する可能性は低くなります。
詳しくは団体信用生命保険の公式ホームページをご覧ください。
本審査
本審査でも、事前審査と同じ項目がチェックされます。
なぜ2回も同じ項目を確認するのでしょうか?それは、審査を実施する会社が異なるため。
事前審査では住宅ローンを取り扱っている銀行が審査しますが、本審査では保証会社が審査を行います。
同じ審査項目でも銀行と保証会社の基準が異なるため、事前審査に通過しても本審査に通過しないこともあり得ます。
住宅ローンの審査に通過する2つの方法
住宅ローンの審査は申し込み方次第で審査通過率が左右されます。
ここでは、審査通過率が上がりやすくなる2つの方法をご紹介します。
① 複数の住宅ローンに申し込みしすぎない
手当たり次第に複数の住宅ローンに申し込みすぎると、審査通過率が低くなります。
その理由は、住宅ローンは契約を行っていなくても申し込みを行った時点で信用情報に記録されるためです。
住宅ローンの審査では信用情報を確認しますが、短期間で申し込み件数が多すぎると「他社の審査に落ちたから何度も申し込みを行っているんだな・・・」と疑いの目で見られます。
知識不足のせいで審査に落ちたなんてことにならないように、申し込みは慎重に行いましょう。
しかし、住宅ローンの審査は他のローンに比べて時間がかかるため、1か月程度要することも。
1社ずつ申し込んでいると間に合わない方は、慎重に2~3社申し込むのがいいかもしれません。
② 住宅ローンの審査に申し込む前に相談する
住宅ローンの事前審査は、購入する物件が決まっていないと受けることができません。
しかし、住宅ローンを取り扱う金融機関では、購入物件を決める前に住宅ローンの審査に通過するかどうかを相談することができます。
ご自身の年収や借り入れ状況を踏まえて事前相談を行うため、正確なアドバイスをもらえるはずです。
また、事前相談をしておけば手当たり次第に申し込むこともなくなりますね。
まとめ
サラ金の利用履歴があっても、住宅ローンの審査に必ずしも通過しないわけではありません。
しかし、審査項目に「他社借り入れ状況」がある限り、サラ金の利用履歴が影響しないとは言い切れません。
過去に、2か月にわたる長期間の延滞や借り入れ残高の減額を行う債務整理を行っていない限り過度に心配する必要はありません。
不安な方は、住宅ローンを取り扱う金融機関に事前相談を行ってみることをおすすめします。