金利や利息に困ったとき役に立つ「債務整理」とは


「毎月の返済が厳しい」「毎月返済しているのに利息ばかり減って元金が全然減らない」

借金でお困りの皆さんは、上記のような不安や不満を抱いたことはありませんか?

そのような場合に返済が困難な状況に陥ると、多くの方が「とりあえず他からお金を借りてどうにかしないと…」と考えてしまいがちです。しかし借金を借金で返済し始めたら最期、行きつく先は自身の年収と同じくらいの金額まで膨れ上がった借入残高です。

そこで今回は「債務整理」についてご紹介いたします。返済ができないときは弁護士に相談するという手もあるので、参考にしていただければ幸いです。複数の借入についてはおまとめローンも効果的です!

債務整理のメリット・デメリット

個人の借金に対して行うことができる法的手続きのことを、債務整理と言います。基本的には弁護士や司法書士への相談から始まり、場合によっては裁判所の力も借りることになります。

基本的にはメリットの方が多いのですが、もちろんデメリットも存在します。自分だけでなく身の回りの方にも相談しながら検討すると良いです。

メリット

金利や借入残高を減らしたりカットしたりすることができる

一番のメリットは、借金の金利や借入残高に対してアクションをとれることです。その段階によって3種類に分かれているので、のちほどご紹介いたします。

弁護士へ相談した時点の借金だけではなく、過去に支払ってきた利息についてもさかのぼって返還してもらうことができます。これは以前話題になった「過払い金請求」です。現在の実質年率と照らし合わせて利息に差額があれば、払い過ぎた利息については返してもらうことができます。

相談は基本的に無料

債務整理を行う場合には「弁護士に依頼する」または「自分で行う」の2択になるのですが、キャッシングの利用者で法律に精通している方はあまりいないので弁護士に依頼することになりますよね。

「債務整理」で検索すればわかる通り、対応してくれる法律相談事務所はたくさんあります。特に最近の法律事務所は「相談無料」で話を聞いてくれるところが多いので、ホームページを検索して気軽に電話することができます。

デメリット

成果報酬がかかる

相談は基本無料としているところが多いですが、債務整理が完了すればその成果報酬は当然ですが払わなければいけません。

ただし「法テラス」等の国が管理している弁護士団体へ依頼をすれば、成果報酬も無料で行ってくれる場合があります。

個人信用情報機関に記録が残る

債務整理を行うと個人信用情報機関に記録されます。この記録は5年から10年は残るので、新たにキャッシングやローンへ申し込む場合に不利となります。

もっとも、債務整理を行うまでに返済がうまくできていなかったとしたら、それも同様に信用情報に記録されている可能性が高いです。

将来の金利をカットする?3種類の債務整理


大きく分けて3種類の債務整理があります。基本的な考えとして、借入残高への影響が大きいものは反対に制約も大きいということを覚えておきましょう。

①任意整理のメリット・デメリット

将来利息を抑えることができる

一言でいうと、任意整理は金利をカットすることができる法的手続きです。金利をカットするということは、それ以降に発生する利息をおさえることができます。年18%程度の金利なら、100万円の借入で利息は約18万円もの金額になるので大きいです。

財産の処分や職業の制限がない

後述する自己破産まで行うと、所有している財産が処分されたり職業が制限されたりすることがあります。その点で言うと、任意整理には失うものが何もないので積極的に行ってほしいですね。

裁判所が関わらない

債務整理の中でも任意整理だけは、借入先の金融機関へ弁護士が交渉をしに行くので手続きに裁判所が関わりません。弁護士経由ではありますが、他の2つは返済計画書を提出して認めてもらう必要があります。

借入残高が減るわけではない

金利をカットすることができるのでその後の利息は払わなくて大丈夫ですが、すでに借りている金額が減るわけではありません。そのため、返済は頑張って続ける必要があります。

借入残高は原則3年で全額返済

任意整理を行った場合、残りの借入残高は原則3年で全額返済しなければいけません。そのため、借入残高は債務整理後の方がむしろ多めに返すくらいの気持ちで返済を続けましょう。

②民事再生のメリット・デメリット

借入残高を減額することができる

民事再生は金利をカットするだけでなく、借入残高そのものを減らすことができます。個人差はありますが、およそ5分の1程度にまで減らすことができるので負担を一気に減らすことが来ます。

財産の処分や職業の制限がない

これも任意整理と同様、失うものはありません。金利だけカットしても返済がままならないという方は、民事再生をしてもらう必要があります。

手続きが6ヶ月と長め

民事再生は他2つよりも手続きが長めです。およそ半年かかってしまうため、長い目で見ていかなければいけません。すぐに効果を得たい方にはあまり向いてないと言えます。

借入残高は原則3年で全額返済

借入残高が5分の1程度になるので任意整理よりも負担は軽いと思いますが、民事再生でも原則3年で全額返済しなければいけません。

③自己破産のメリット・デメリット

借金を支払う義務をなくすことができる

その時点で抱えている借入残高を返済する義務をすべてなくすことができます。

「破産」という言葉は皆さんご存知だと思いますが、債務整理における自己破産はいわゆる「最後の手段」です。「第二の人生の始まり」とも言われます。なぜなら「毎月借金のことを考えなくて済むようになって収入を自由に使えるので、世界観が変わる」と言われるからです。

財産の大半は処分される

借金返済の義務がなくなる代わりに、自己破産は「制約」も大きいです。その最たる例がこの財産差し押さえです。

資産として20万円以上の価値があるものはすべて処分されることになります。自家用車や住居も開け渡さなければいけません。ただし、現金だけは99万円まで所有していても大丈夫です。

資格が必要な職業の一部が制限される

3~6ヶ月の間、自己破産の手続き期間中は一部の職業が制限されます。ただ、資格によって制限される職業が異なるので申込前に確認することをおすすめします。

まとめ

まとめると以下の通りです。

  • 債務整理は、金利や借入残高を減らしたりカットしたりすることができる
  • 債務整理は個人信用情報機関に記録が残る
  • 段階に分けて「任意整理」「民事再生」「自己破産」の3パターンがある
  • 自己破産以外の2つは、原則3年で全額返済できる見込みのある人が行える

一度キャッシングでお金を借りると、再びお金に困った時にキャッシングに頼ってしまう傾向があります。借金を借金で返し始めたら利息で借入残高が膨れ上がっていってしまうだけなので、そうなる前に気付いて早期の債務整理を検討してください。